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皆さんはディープラーニングという言葉を聞いたことがありますか?
名前だけは聞いたことがあるけど、「どんな仕組みかはよく分からない」、「AI(人工知能)と何が違うの?」と言った疑問を良く耳にすることがあります。
今回は「ディープラーニングとは何なのか」、「私たちの身近なディープラーニング」について、専門用語を極力使わずに分かりやすくご紹介します。
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ディープラーニングとは何か
人間の脳神経回路と同じような仕組みをいくつもの層としてプログラミングすることにより、コンピュータが人間と同じ様に与えられた情報から自己学習する方法です。
例えば、コンピュータに猫の画像を認識させる場合、これまでは人間がコンピュータに対して、猫の特徴を定義付けてコンピュータに教える必要がありました。
猫という生き物は耳が2つあって、顔が丸くて、髭があって、尻尾が長くて…といった情報を人間がコンピュータに教えていたんですね。
しかし、ディープラーニングが登場してからは、人間が猫の特徴をコンピュータに教えなくても、様々なパターンの猫の画像を人間がコンピュータに読み込ませると、コンピュータが無数の画像から猫の特徴を学習して、人間が気付かない特徴までも探し当てるという技術革新が起こりました。
AIとの違い
名前のとおり、人間が過去の知識や経験から判断していることを、コンピュータが人間と同じように判断し、人間と同じような振る舞いをできるようにする技術です。
当然、コンピュータは人間から判断する条件を教えてもらう必要がありますので、様々な方法でコンピュータに学習させる必要があります。
そのことを「機械学習」といい、その機械学習の方法の一つとして「ディープラーニング」という学習方法があるのです。
例として、AI(人工知能)と赤ちゃんの学習方法の対比図を用意しましたので、ざっくりとイメージを掴んでください。
AIについてより詳しく知りたい方は下記の記事もご参考にしてください。
ディープラーニングが注目された理由
ディープラーニングが注目された理由は、2012年にアメリカ企業のGoogle(グーグル)が行った、「Googleの猫」という研究結果から始まります。
この研究の凄いところは、前述したとおり人間が猫の特徴を教えて初めて猫を認識できたコンピュータが、人間が猫の画像を猫というラベルを貼って読み込ませるだけで、コンピュータが猫の特徴を勝手に学習する点です。
人間にとっては犬と猫を見分けるのは簡単ですが、コンピュータにそれを教えるとなると、同じ四足歩行で、尻尾も耳もある、など見た目が似ている動物の特徴を判断させるのは容易ではありませんでした。
これが出来たことで、大量のデータをコンピュータに読み込ませれば、これまで専門家しか出来なかった画像解析やデータ分析など、様々な作業をコンピュータが自動的にやってくれることが分かったのです。
ディープラーニングの仕組み
ここではディープラーニングの仕組みを簡単にご説明します。
猫という特徴をコンピュータが判断するために、脳内の神経細胞(ニューロン)のネットワーク構造を模した「ニューラルネットワーク」という数学モデルが重要な役目を果たしています。
ここではディープラーニングを実現するための計算技術がニューラルネットワークだと覚えていただければ十分です。
例として、猫を認識する場合のニューラルネットワークを図で表現しましたので、イメージを掴んでください。
私たちの身近なディープラーニング
既に私たちの身近なところで、ディープラーニングを取り入れた様々なサービスがあることをご存知でしょうか。
- 音声理解
- 予想分析
- 画像認識
- コミュニケーション
音声理解は、SIRIやGoogleHomeなどのスマートスピーカー、Pocketalkといった翻訳機が有名です。
予想分析は、Amazonや楽天で過去の購買履歴からオススメが紹介されるレコメンド機能や、株式投資の予想などがあります。
画像認識は、自動運転技術、顔認証による施設の入退室管理、顔決済、防犯など様々な分野で活用されています。
コミュニケーションは、有名なペッパーくん、製品ホームページでも目にするようになったAIチャットボットなど、人間との対話を中心とした製品に採用されています。
このように、良く知っているサービスの裏ではディープラーニングの仕組みが動いており、気付かないうちに恩恵を受けているのです。
ディープラーニングの未来
いまではディープラーニングが生活の一部として欠かせない存在になっていることがお分かりいただけたかと思いますが、ディープラーニングの技術が進化していくと、どのような未来になるのでしょうか?
AI(人工知能)が人間を脅かす存在になるといった映像作品などもありますが、それを心配するのは私たちがいなくなる数百年先の話でしょう。
ディープラーニングは現在の技術ではある特定の分野に特化した作業に限定することで、初めて真価を発揮しますので、少なくとも人間を支配しようとする考えには至ることはありません。
ディープラーニング技術が発達しても人間が情報を与えるという行為は必ず必要ですので、お互いに支え合っていく存在になるでしょうね。
誰でもできる単純作業から、これまで専門家しかできなかった複雑な判断まで、属人化した作業が人間の手から離れることで、私たちは新しい仕事や質の高い仕事ができるようになります。
まとめ
今回はディープラーニングについてご紹介しました。
ディープラーニングは難しいものだと思われがちですが、正しく理解することで様々なビジネスやサービスに活用することができます。
近年ではディープラーニングを使ったソリューションの提案や、パッケージを販売しているITベンダーも増えてきていますので、皆さんの職場にもある日突然現れて、ディープラーニングと一緒に働く機会があるかもしれませんね!